かまぼこ日記 – 7月30日(小池芽英子)

つつがなく到着。
六日町まで運行の電車ありと電光掲示板に表示してあったので喜んで切符を買う。
車内でかまぼこ倉庫をかぶり記念撮影、ほどなくして運行休止の放送。
見通しも立たぬ様子。
長旅でへとへとなので旅行案内所が開くまでベンチで仮眠、宿を探さねばならないね。
深澤君以外足止めをくらっているチームかまぼこ、雨は身近な大自然だなあ。

いつも海を横目に通り過ぎていたので、そんなら海を目指そうかとちよさんと。
直江津は港町、フェリーに乗って海からいろんなところにいけるんだ、うわー。

案内所のお姉さんに宿のチラシを見せてもらい、ひとまず予約。
棒線の引いてある宿屋名簿のチラシを見ながら案内所の姉さんは言うんだ
「このチラシにある老舗の旅館もね、後継者が無くたたんだりなんかで、ねえ、
昔はチラシ一面にお宿がうまってたんだけどね。」
昔は行楽といえば野に山にデパートに川に遊園地に海水浴だったけど。
山野はそんなことは少ない気がするけど、昔栄えた海水浴場には、だいたいそんな影がある。
泊まる宿は海水浴のためのような民宿で、女将さんはロカビリーなリーゼント。
館内には歌声喫茶のようなパブらしき施設もあるのでチリッとときめいてしまう。
人の気配の無い、泊まっているのはどうもあたし達だけみたいな気もする。
大雨のせいか、そういう流れか。いろんなことを思う。

直江津
近くのイトーヨーカ堂の100円ショップでダンボールをわけてもらい作業用かまぼこ倉庫帽子をつくる。
八幡神社が民宿の隣にあり、狛犬がまんきちさんとこの「テン」と「マル」に似ている。
たこ公園。たこの足が全部滑り台。そのぐるりにベンチがいくつもある。蛸が名産だから主役なのだ。
波間にふるいわけられた黒い砂を採集、重い、キラキラしている。(案の定、砂鉄だった)
ちよさん浜辺個人浴場を作る、暑さで温くなり温泉気分。
ダンボールで作った作業用かまぼことガラス石で記念撮影。
特撮のセットの明暗の分かれ道はフラクタルか否かだけど。ダンボウルかまぼこ、いっぱしの建築物にみえる。
ハレの建築空間はデパート・遊園地・劇場・映画館・・・・
ケの建築空間は公園・住宅・学校・オフィス・工場・商店街・・・・
といわれるけど、ハレとケが曖昧になってきたこんにちでははたしてどうなんだろうか、
農舞台のかまぼこ倉庫はその境界にあって、自由に行ったり来たりしているのかもしれない。
もしかすると曖昧さひっくるめてひとつの新しいジャンルなのかもね。
あたしたちはかまぼこ倉庫をかぶって、大雨の降るあの町の私を待っている。

海から戻りちよさん風呂場で蜂に遭遇、怖かったそうだ。

かまぼこ日記 – 7月30日(小池芽英子)